英語字幕の活用

映画字幕で英語学習! Love Story 『ある愛の詩』

今回は、ラブストーリー史上永遠の名作、『ある愛の詩』(Love Story)を取り上げたいと思います。この映画が制作されたのは1970年。大学紛争が吹き荒れた直後の、大学生がまだ純真な心をもっていた時代です。それにふさわしい純愛ストーリーです。原作は、エリック・シーガルの同名ベストセラー小説です。主演は、ライアン・オニールとアリー・マグロウ。本映画のいちばんの魅力は、美しくも切ない旋律を奏でるフランシス・レイの音楽にあるかもしれません。映画の冒頭と最後に、ジェニーが死んだあと、グラウンド前でうずくまるオリバーの姿に重なるように流れるLove Storyの音楽は、何回見ても胸に迫るものがあります。この映画はアカデミー作曲賞を受賞していますが、それもうなずけます。映画は消えても音楽は永遠に残るでしょう。

(from YouTube)
それはともかく、以下では、映画の中で使われる英語の役に立つ表現をピックアップしていきたいと思います。



preppie  裕福な家庭の学生
profanity  罰当たりな言葉遣い

ハーバード大学生のオリバーと、隣のラドクリフカレッジの学生ジェニーが初めて出会う場面です。ジェニーは司書のアルバイトをしています。オリバーは本を借りようとしますが、ジェニーはこんないじわるな言葉を返します。

Oliver: All I want is one. I've got an exam tomorrow, damn it.
Jenny: Please watch your profanity, preppie .
Oliver: What makes you so sure I went to prep school?
Jenny: You look stupid and rich.
Oliver: Actually, I'm smart and poor.
Jenny: Uh-Uh. I'm smart and poor.
Oliver: What's makes you so smart?
Jenny: I wouldn't go for coffee with you.
Oliver: Well, I wouldn't ask you.
Jenny: Well, that's what makes you stupid.

preppie  preparatory school(金持ちのボンボンの行く学校)の出身者。

(from the Movie "Love Story")

このウィットに富んだやりとりのあと、二人はカフェに行き、ふたりの付き合いが始まります。お金持ちのハーバード大生と貧しい家庭の美しくもはかない命のヒロインの物語の始まりです。

be hung up on someone  (人)に夢中になっている、恋している。

オリバーはジェニーの魅力に取り憑かれているようです。ジェニーはそれに気づいてこう言います。

Jenny: Yeah. You're hung up on me, aren't you?

(例文) John is really hung up on Mary.

(from the Movie "Love Story")

give someone a lift (車に)乗せる、送っていく

これはよく使うセリフですね。オリバーはホッケーの試合でライバルのコーネル大に負けてしまい、オリバーは顔に怪我をします。ふだん仲の悪い父親が観戦に来ていました。出口で待っていた父はオリバーに、家まで車に送って行こうかと訪ねますが、オリバーは冷たく断ります。

Father: My car's over there. Can I give you a lift? 車で送ろうか?
Oliver: I'll walk you to your car. 車までご一緒します(断りの言葉)

flunk out  (成績不良で)退学になる

オリバーはジェニーに夢中。一緒に勉強していると、ジェニーを見つめてばかりいます。ジェニーは、そんなオリバーをからかいます。
Jenny: You're going to flunk out just watching me study.
Oliver: I'm not watching you study. I'm studying.
Jenny: Bullshit. You're looking at my legs.
Oliver: You're under the impression that I wanted to make love to you. (君は僕に下心があると勘違いしている)

be a breeze  簡単なこと、訳ないさ、心配ないよ。

オリバーはジェニーにプロポーズし、ジェニーは受け入れます。二人でオリバーの両親に会いに行きますが、オリバーの両親の家があまりにも広大なので、貧しいジェニーは怖気づきます。オリバーはジェニーに「心配することはないよ」と声をかけます。

Oliver: Don't worry, Jenny. It'll be a breeze.
Jenny: Yeah, but why is it that I suddenly wish my name were Abigail Adams or Wendy Wasp? (私も名門の娘なら平気でいられるのにね)
Oliver: Don't be scared.

pass judgement on someone/ something   ...を批判する、判断を下す

オリバーは両親のジェニーに対する不躾な態度に腹を立て、早々に家を出ます。ジェニーはそんなオリバーをたしなめます。
Jenny: Listen, I can't pass judgement, Oliver. I just think so. I mean. I know that I love not only you, but also your name and your numeral. After all, it's part of what you are.

fait accompli  (フランス語由来)既成事実

オリヴァーは再び父親に会います。ジェニーが話題にならないので、オリバーはそのことを父にいうと、「何もいうことはない。二人のことは既成事実なんだろう」と父は言いました。

Oliver: You haven't mentioned Jennifer.
Father: What's there to say? You're presenting us with a fait accompli, are you nor?

このあと、再び、二人は口論になり、オリバーは父からの仕送りを断ってしまいます。オリヴァーは、学資を得るために、学部長に面会を求めます。学部長が「後ろ盾のある君がなぜ奨学金を必要とするのか?」と問いかけると、オリバーは、「父とは決別したんです」と答えました。

Oliver: We have had a misunderstanding. It's a parting of the ways.
Dean: This is very unfortunate, Mr. Barrett.
Oliver: I am not exactly jumping for joy.
Dean:  Yet, uh, we have many entering students in far worse straits than you.

tilt at windmills   (自分が勝手に思い込んだ)空想上の敵と戦う、ひとり相撲をとる(『ドンキホーテ』の逸話から来たことば)

ジェニーはオリバーを父親と引き合わせます。オリバーは、お父さんが結婚を承諾してくれるか不安です。ところが、
Phil: I won't allow it! Get me?
Jenny: You're tilting t windmills, Phil!
(反対しても無駄よ)
Phil: You stop referring to his father as a windmill.
(彼のお父上は偉い方だ)

aspire to  ...   ....することを熱望する

けれども、やがてフィルは二人の結婚を許し、教会なしの無宗教結婚も認めます。結婚式はささやかに、しかし厳かに執り行われました。ジェニーはオリバーの前で詩的な誓いの言葉を述べます。

This angels would press on us and aspire to drop some golden orb of perfect song into our deep, dear silence. Let us stay rather on earth, beloved, when the unfit, contrarious moods of men recall away and isolate pure spirits and permit a place to stand and love in for a day, with darkness and the death-hour rounding it.

(from the movie "Love Story")



carry the bride over the threshold 花嫁を抱いて新居に入る

オリバーが見つけた二人の新居は、薄汚いアパートでした。それでもIt's home!と胸を張るオリバーに、ジェニーが「抱きかかえて入って」と頼みます。

Jenny: There's the threshold. Carry me over it.
Oliver: Oh, come'on. You don't believe in that nonsense, do you?
Jenny: Carry me. I'll tell you later.
Oliver: We're almost at the top floor?
Jenny: OK. I'll be a young and beautiful divorcee.
Oliver: I'll tell after we cross the threshold.

reconciliation 和解

ジェニーはオリバーに、父親と若いすることを強く勧めます。けれども、オリヴァーは拒否します。父親からの招待にも応じません。落胆したジェニーは家を出てしまいます。

Oliver: Oliver, think. 60 years old. Nothing says he'll be around when you're finally ready for reconciliation.
Oliver: There won't be a reconciliation.

オリバーは1日中ジェニーを探して回りました。夜になり、家に戻ってみると、ジェニーが凍えて戸口で座っています、鍵を忘れて入れなかったのです。オリバーが、”Jenny, I'm sorry.”と言うと、ジェニーはそれを遮って、泣きながら言いました。「やめて、愛とは決して後悔しないことなのよ」。これは映画のモチーフでもあり、純愛を意味する名言として語り継がれています。

Olicer: Jenny, I'm sorry.
Jenny: Don't. Love means never having to say you're sorry.

( from the Movie "Love Story")

オリバーは法学部を優秀な成績で卒業し、弁護士の職を得て、ジェニーとともにぜいたくなアパートに引っ越します。二人にとって幸せな生活が始まりました。

そんなある日、二人の血液検査の結果を聞きに医師を訪れたオリバーは、ジェニーが重い白血病にかかっており、死期が近いことを知らされます。オリバーは深い悲しみの中でジェニーにふだんと変わらない態度で接し、できるだけ一緒にいようと試みます。ジェニーが行きたいと言っていたパリ行きのチケットを買ってジェニーを喜ばそうとしたところ、ジェニーはパリよりも時間がほしい、と言った。彼女はすでに医師から自分の病気のことを知らされていたのだった。ジェニーは、オリバーに「気を強くもってね」と言いました。

count on someone  (を頼りにする)

I'm counting on you to be strong you goddamn hockey jock.(気を強くもってね、ホッケーの名選手さん)

(from the Movie "Love Story")

オリバーは、ジェニファーに最善の治療を受けさせるために、恥も外聞も捨て、女性関係を精算するためと偽って父親から5000ドルを借ります。それでも、ジェニーの病状は悪くなるばかりです。

screw something ...なんてくそくらえ。

死の床で、ジェニーは言います。「パリなんてクソ食らえよ!」

Jenny: Screw Paris.
Oliver: What?
Jenny: Screw Paris and music and all that stuff. You thought you stole from me. I don't care.
Oliver: I believe you.

(from the Movie "Love Story")

ジェニーと最後の別れを告げたあと、病院を出るオリバーと入れ違いに、父が駆けつけました。ジェニーが死んだことを告げると、父は「I'm sorry」と言いいましたが、オリバーはそれを制して、ジェニーが言ったことばを繰り返すのでした。

Love means never having to say you're sorry.

(YouTubeより)

よろけるように、ジェニーとの思い出の場所、スケートリンクにたどりつき、フェンスに手をかけて悲しみをこらえるオリバー。フランシス・レイのピアノの旋律が見る者の涙を誘います。



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