英語の歌詞がついた音楽配信サービス
最近、世界的にスマホユーザーの人気を集めているのが、定額の音楽配信サービスです。日本でも、Apple Music、Spotify、AWA、Google Play music、歌パス、dヒッツ、Amazon Musicなど数多くのサービスが低廉な料金でサービスを競っています。どれも、月額1000円前後で洋楽、邦楽が聴き放題になっています。
この中で、英語の学習に役に立つのは、英語の歌詞つきの音楽を提供するサービスです。とくに、SpotifyとAWAでは、多数の洋楽に英語歌詞がついており、リスニングの格好の教材になっています。
Spotifyで英語歌詞を見ながら音楽を聴く
Spotifyは全世界で1億人以上のユーザーが利用する定額の音楽聴き放題サービスです。選択できる曲は洋楽、邦楽合わせて4000万以上に上るといわれていmす。他の同種サービスと比べて、とくに洋楽に強いのが特徴です。無料でも聴き放題になりますが、有料プランではオフライン再生、オンデマンド、高音質再生などができるようになります。
Spotifyでは、ほとんどすべての洋楽(Songs)に英語やフランス語などの歌詞がついています。自分の好きな英語の歌を、歌詞つきで楽しむことによって、リスニング力が大幅にアップすることが期待できます。これまで意味がよく聞き取れなかった箇所も、歌詞を見ながら聴いていると、理解できるようになります。
とくに、英語表現が比較的やさしく、リスニング練習の教材として適している歌手(グループ)としては、ビートルズとカーペンターズがあります。どちらのグループも、Spotifyではファーストアルバムから、ほとんどすべてのアルバムを全曲聴くことができます。
Spotifyでは、スマートフォン、タブレット、PCの専用アプリで歌詞つきの音楽を聴くことができます。
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ビートルズとカーペンターズのいくつかの曲を例に、歌詞字幕の出し方、聴き方を説明したいと思います。
ビートルズのA Hard Day's Nightをスマートフォンで聴く
ビートルズは、イギリス・リヴァプール出身のロックバンドで、1960年代から70年代にかけて世界中で大活躍をしたアーティストです。メンバーは、ジョン・レノン(John Lennon)、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)、ジョージ・ハリスン(George Harrison)、リンゴ・スター(Ringo Star)の4人です。ビートルズはいまでも根強い幅広い世代の人気を保っています。ビートルズの歌を知らない人はまずいないでしょう。それだけに、英語のリスニング教材としては最適だといえます。
A Hard Day's Nightは、1964年に発売され大ヒットしたビートルズ7枚目のオリジナル・シングル曲です。SpotifyのiPhoneアプリでは、歌の進行に合わせながら、全歌詞を見ることができます。
曲名をタップすると、歌詞つきの曲が再生されます。歌詞が出ないときは、画面左下の「歌詞」というボタンをタップすると、曲の歌詞が表示されます。歌っている部分の歌詞が画面上で白くハイライトされますから、音声と歌詞を同期させて理解することができます。リスニングには最適な提示方法といえます。また、[su_button background="#2b2f43" color="#f6f6f6" size="1" radius="10"]全画面[/su_button] のボタンをタップすると、スマホの画面いっぱいに歌詞が表示されますので、歌詞をよりよく理解できるようになります。また、画面をスクロールすることによって、歌詞の見えない部分も確認することができるので、ノートに書き取ったりするときにへたいへん便利です。
カーペンターズのYesterday's Once Moreをパソコンで聴く
Spotifyのアプリは、スマートフォン、タブレットの他に、パソコン(Windows、Mac)にもあります。Spotifyのサイトからダウンロードして使います。以下では、Macを使って、カーペンターズのYesterday Once Moreを歌詞つきで聴く方法を説明します。
カーペンターズは、1970年代から80年代はじめにかけて世界的に活躍したアメリカの兄妹歌手デュオです。とくに、妹のカレン・カーペンターズは、やさしく伸びやかな歌声で世界中の人々を魅了しました。代表的なヒット曲には、Yesterday Once More、Top of the World、Please Mr. Postman、Super Starなどがあります。
Yesterday Once Moreは、カーペンターズ12枚目の新グロとして、1973年に発売され、5月には全米第2位の大ヒットを記録しました。日本では、カーペンターズ全曲中の最大のヒットとなり、100万枚以上を売り上げました。
作詞作曲は兄のリチャード・カーペンターズと友人のジョン・ベティスが担当しました。歌の内容は、まだ若かったころ、ラジオで聴いていたオールディーズを懐かしむというものです。1973年5月9日にリリースされたアルバム『Now and Then』では、数々のオールディーズがメドレーで流れ、Yesterday Once MoreがB面の冒頭と最後に流れるという演出がなされています。このアルバムは、もちろんSpotifyで全曲聴くことができます。
Spotifyでこのアルバムを検索すると、下の画像のように、全曲がリストアップされます。そこで、Yesterday Once Moreの曲をクリックすると、プレイが再生されます。パソコン版で歌詞を表示させるには、画面下にあるマイクのマークをクリックします。
すると、右側の画像のように、歌詞が歌に合わせて表示されます。いま歌っている部分の歌詞は、とくに大きく白い文字で表示されますから、英語の歌詞を容易に読み取ることができます。
パソコン版では、さらに、オプションとして、背景のアニメーションを差し替えて楽しむことができるようになっています。(下の画像)
ただし、パソコン版では全歌詞を一覧で見る機能はないようです。
なお、Yesterday Once Moreの歌詞和訳は、次のサイトで見ることができます。また、この曲に関する歌詞つきの詳しい解説を知りたい方は、次の節で紹介する本をごらんください。
AWAアプリで英語歌詞つきの歌を聴く
AWA(アワ)は、サイバーエージェントとエイベックス・デジタルが共同出資して設立したAWA株式会社が運営する定額音楽配信サービスです。2015年5月27日に、日本では最初にサービス提供を開始した創発組です。世界中のレーベルと提携を組んで、2018年現在、約5000万曲を配信しており、これはSpotifyと並んで世界トップクラスだといえます。利用料金は、月額980円ですが、2018年10月現在、「3ヶ月無料お試し」というキャンペーン中でもあります。
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Spotifyにある歌詞機能が、AWAにもついているので、英語リウニングの教材には最適です。Beatlesのプレイリストを流して、"It's been a hard day's night" を歌詞付きで聴いてみましょう。いままでは、It' bee a hard day's nightくらいしか聴いていた人でも、歌詞を読みながら聴くと、「彼氏がきつい仕事を終えたあと、彼女の待つ自宅にもどり、二人で幸せな時間を過ごす」様子をはっきりと思い描くことができるでしょう。
呼び出しやすい歌詞
AWAのスマートフォンアプリでは、歌詞の呼び出し方がSpotifyとは少し違っています。下の左側のように曲のタイトルを表示させた状態で、大きなカバーの部分をタップすると、右側の画像のように、歌詞が表示されます。Spotifyよりも操作が簡単です。しかも、アルバムカバーが歌詞の背景に表示されるので、Spotifyよりも快適に歌詞を読むことができます。いま歌っている部分は、オレンジ色に変わります。下の画像は、カーペンターズのTop of the Worldの一節です。
AWAの歌詞つき音楽は、パソコンでも楽しむことができます。下の画像は、Olivia Newton-Johnの有名な曲 Have you Never Been Mellowの歌詞をパソコン上で表示させたものです。Spotifyのパソコン画面とは違って、全歌詞をスクロールして表示させるのはいい点ですが、いま歌っている部分をハイライトする機能がありません。これは少し残念なところです。
「プチリリ」アプリで歌詞つき音楽を聴く
iTunesに入れた音楽の一部は、スマートフォンやPCで歌詞をつけて聴くことができますが、歌っている部分をハイライトさせて、アニメーション形式で表示させることはできません。けれども、スマーフォンのアプリ「プチリリ」を使えば、同期歌詞を表示させることができるようになります。
おすすめアプリ
アプリの起動
アプリ「プチリリ」を最初に起動すると、スマートフォンに保存されているiTunes内の楽曲へのアクセス許可を求められます。「OK」に設定すると、iTunes内の楽曲がプチリリに取り込まれ、iTunesと同様に、「プレイリスト」「アーティスト」「曲」「アルバム」に分けて再生することができます。
歌詞表示
歌を聴きながら歌詞表示させるには、楽曲名をタップするだけでOKです。下の画像は、スウェーデンの人気歌手グループABBAの歌の一節を同期歌詞とともに表示させたものです。このアプリでは、歌詞を同期表示できるだけではなく、ハイライトされる歌詞同期のタイミングを遅くしたり、速くしたり微調整ができます(右の画像)。標準では、音声と同時に歌詞が表示されますが、「速い」設定にすると、音声よりも少し速く歌詞を表示させることができます。その方が、シャドウイングには適しているようです。
このように、CDをiTunesに入れている人や、Apple Musicに加入している人は、ぜひこの無料アプリをインストールして、スマートフォンで英語歌詞つきの歌を聴きながら、英語リスニングの練習をしていただきたいと思います。
本とCDで英語歌詞をもっとよく理解しよう!
SpotifyやAWAやプチリリでは、歌詞を見ながら英語の歌を聴くことで、リスニング力をアップすることできます。けれども、歌われている英語の意味をもっと深く知るためには、ただ聴いているだけでは不十分です。それには、英語歌詞の日本語訳と歌の背景解説などがCDと一緒に入った本を読むことが効果的です。
アルクから出ている『英語で歌おう!』シリーズは、そんな要望に応える書籍です。
これらのシリーズ本の中から、自分の好きな歌の入った本を購入して、テキストを読んだ上で、原曲をCDで聴くと、歌の意味をよく理解しながら自分でも正しい発音で歌うことができるようになるでしょう。
ただし、付属のCDに収録された曲は、オリジナルの歌手ではなく、カバーソングになっているのがちょっと残念なところです。もしオリジナルの歌手の声で聴きたい方は、上で紹介したSpotifyまたはAWAで原曲を探して聴くというのも、おすすめの楽しい学習方法です。