英語雑誌の活用

英語雑誌で語学力アップ!

英語上達の近道はこれ!毎月発行される英語雑誌を音声入りで読むこと。なかでも、アルク発行の『English Journal』誌、朝日出版社発行の『CNN English Express』、それにNHK発行の英語雑誌は、英語学習者必読の雑誌といえるでしょう。NHK発行の英語雑誌については、別のページで詳しく説明したいと思います。本ページでは、月刊英語雑誌の双璧ともいえるEnglish Journal誌とCNN English Express誌を取り上げ、その内容を詳しく紹介するとともに、最新の利用方法を解説したいと思います。

 

English Journal

『English Journal』の概要

『English Journal』は、1971年に創刊された月刊の英語雑誌です。内容は、著名人へのインタビュー、リスニングに役立つ特集、世界のニュース、ネイティブのトーク、チャットクイズなど、リスニングを中心に楽しくて役立つ英語教材で構成されています。書籍版、電子雑誌版、定期購読アプリ版(iOS)があります。

  • 書籍版 CD付き1,512円(税込)
  • 電子雑誌版(楽天マガジン 月380円 税抜き)
  • 定期購読アプリ(iPad、iPhone用) 月1,200円

価格は、種類によって異なり、電子雑誌版が圧倒的に安く、書籍版がいちばん高くなっています。

電子雑誌版は、定額雑誌読み放題サービスの楽天マガジンを購読すると、追加料金なしで最新号をパソコン、スマートフォン、タブレットの端末で読むことができます。料金的には大幅にお安くなっており、アプリ版と違って、パソコンでも読むことができるので、大画面のPCがあれば、大きな文字で読むことができます。サイドメニューの目次で、目的の記事へワンクリックでジャンプすることもできます。経済性を重視する方には最適な選択肢といえます。音声もアルクのウェブサイトから無料でダウンロードできるので、これをスマートフォンのALCOアプリにダウンロードすれば、スマホ片手にリスニングをすることができます。ALCO意外にも、アルクのダウンロードサイトからmp3ファイルの形でダウンロードすれば、好きなオーディオプレイヤーアプリにインストールして、リスニング練習を行えるので便利です。

書籍版は、CD付きなので、CDプレイヤーで聴くか、iTunesなどに音声をダウンロードして、雑誌を読みながらリスニングの練習を行うことになります。電子版と違って、配信期限といったものがなく、永続的に自分のライブラリーとして保存できるのが、最大のメリットといえるでしょう(電子雑誌版は配信期限が1年)。また、紙なので、書き込みやアンダーラインなども自由にできるのも、英語学習ではメリットになるでしょう。

iPad、iPhone用の定期購読アプリは、月額で1200円、1年契約で12800円となっています。アプリ版の最大の特長は、読んでいる記事の聴きたい部分をタップすると、音声を再生してくれることです。ただし、再生機能は、3秒の巻き戻しができるだけで、後ほど述べるALCOアプリに比べると、見劣りがします。

 「学習コーナー」の使い方

English Journalでは、毎号、旬のテーマを取り上げて、英語インタビュー、英語スピーチ、英語クイズなどのコンテンツを英語と日本語を交えて掲載しています。文章理解を増進するために、インタビュー記事には英語と日本語訳の全文を併記するとともに、難しい単語、フレーズには訳語とミニ解説をつけています。また、リスニング力を高めるために、インタビューの音声をCD、MP3ファイルで再生できるようにしている他、アプリ版では誌面をタップするだけで、その部分の音声が聴けるようにしています。

English Journalの目玉は、英語のリスニング、スピーキングの能力アップのために設けた「学習コーナー」でしょう。内容は、「Speech」「Interview」「Essay」「Free Talk」「News」「Documentary」「Quiz」に分かれています。

各コーナーごとに、「聞く前に」で記事の形式、聞き取り難易度、速さ、理解のためのキーワード、各トラックの聞き取りポイントをあげています。ここを読んで、記事内容の概要を掴んでおきます。

次に、各コーナーの音声を聴き取ります。音声だけの理解が難しいと感じたら、聞く前に英語のスクリプトや日本語訳に目を通しておくといいでしょう。音声だけを聞き終わったら、英語のスクリプトや日本語訳を読みながら同時に音声を聞き、正確な理解をはかります。

次に、各コーナーの「聞いた後に」を開き、「内容理解クイズ」「ディクテーション」「シャドーイング」を行います。ディクテーションとは、指定されたトラックの音声を聞きながら、ノートやメモ帳に一語一句正確に書き取る練習のことをいいます。また、シャドーイングとは、音声を聞きながら、それを自分の口で、できるだけ忠実に再現する練習のことをいいます。シャドーイングによって、リスニング力とスピーキング力の両方を鍛えることができます。

音声ダウンロードの方法

English Journalでは、ALCOという専用の音声プレイヤーアプリに各号の音声ファイル(MP3)をダウンロードすることで、リスニングをより効率的に行うことができるようになっています。

おすすめアプリ

語学のオトモ ALCO[アルコ](アルク)

語学のオトモ ALCO[アルコ](アルク)
開発元:ALC PRESS, INC.
無料
posted withアプリーチ

このアプリをスマートフォンにインストールしたあと、アプリを起動し、English Journalを選択して、各号の巻末に記されたパスワードを入れて「ダウンロード」します。すると、プレイヤーの画面でトラックごとに音声を再生することができます。

 

 

 

 

CDや電子雑誌アプリ版よりもいいところは、「2秒巻き戻し」「2秒先送り」「リピート」「再生スピードの微調整」などができることです。雑誌の記事を読みながら、このプレイヤーを繰り返し聞くことで、リスニング力の向上をはかることができます。

 

 

それぞれのコーナーの内容と特徴は以下のとおりです。

Interview (EJ Interview)

さまざまなジャンルの著名人の生の会話を聞くことができます。ふだん耳にすることの少ないネイティブの自然な発話を聞くことで、リスニングが大幅に向上します。英語による表現力を養うには最適の教材でしょう。シャドーイングによって、英語特有の表現を身につけることが期待できます。「聞く前に」をしっかりと読んでからインタビューを聞くようにしましょう。

 

 

 

Essay (Tea Time Talk)

このコーナーは初級向けの内容になっています。スピーカーはゆっくりと話し、表現もシンプルなので、スピーキングの上達に最適です。知日家のアメリカ人、ケイ・ヘザリさんのエッセイです。

 

 

Free Talk (Quick Chat)

このコーナーは、アメリカ出身のアン・スレーターさんとイギリス出身のマイケル・リースさんが交代で、ゲストを迎えて気ままにおしゃべり(チャット)するものです。例えば、2018年11月号では、「日本語と英語の文化の違い」をテーマにおしゃべりしています。難しい単語はほとんど出てきませんから、シャドーイングすればスピーキングのいい練習になるでしょう。

 

 

News (World News)

このコーナーでは、注目すべき海外ニュースをいくつか取り上げ、レポーターがこれを読み上げています。時事英語のリスニング力をつけるのに適しています。

左側に入力する内容

右側に入力する内容

Documentary (From AFP)

フランスの通信社AFPが、政治、経済、環境問題、スポーツなど幅広いジャンルのニュース・アーカイブの中から厳選したドキュメンタリーを紹介しています。プレゼンテーションを行う上で参考になります。

 

 

CNN English Express

次に紹介するのは、朝日出版社が毎月発行している『CNN English Express』です。この雑誌の特色は、CNNニュースを素材として、政治・経済・社会・エンタメなどさまざまなジャンルのニュースから毎月20本あまりの最新ニュースを掲載し、ネイティブによる生の英語を収録していることです。しかも、全体を「ウォーミングアップ編」「実践編」「強化編」の3段階に分け、ステップアップ式にリスニング力をアップすることができるようになっています。それぞれのステップの特徴を紹介しておきたいと思います。

ウォーミングアップ編

ここでは、20〜30秒のCNNニュースを素材として、ナチュラルスピードとゆっくりめのスピードで音声を収録しています。最初はゆっくりスピードで再生し、2回目はナチュラルスピードで再生するとリスニングには効果的でしょう。

ウォーミングアップ編は、「最強のリスニング学習法」「基礎トレーニング」「CNNニュースダイジェスト」の3セクションからなっています。それぞれの内容と特徴を簡単に紹介したいと思います。

最強のリスニング学習法

1018年10月号では、「音にフォーカス」するシャドーイングというテーマで、実際のニュース英語を実例として、シャドーイングによるトレーニング法の実際を詳しく解説しています。

それによると、シャドーイングは、「流れてくる音声をほぼ同時に、あるいは少しだけ遅れて、できるだけ正確に、あたかも影(shadow)のように、声に出して繰り返していく練習法」です。シャドーイングには、次の4つの効果があるとされています。

  • リスニングにおける集中力が向上する
  • 英語音声の特徴を習得できる
  • 復唱力が向上する
  • スピードの速い音声についていけるようになる

本記事では、本格的なシャドーイングに取り組む前に「音にフォーカスした練習から始める」ことを薦めています。具体的には、「英語音声の聞き取りと、口頭での正確な再現にフォーカスし、オリジナルの音声を丁寧に繰り返し聴き、どのように発話されているのか、その特徴を捉えた上で、小声でシャドーイングしてみる」ことです。

続いて、実際の英文を使って、シャドーイングの練習ができるようにしています。

(シャドーイングの練習法:CNN English ExpressのiPad画面より)

電子雑誌版では、赤いヘッドホンのマークのついている部分をアップすると、テキストがナチュラルスピードまたはゆっくりスピードで読み上げらます。それを聞きながら、シャドーイングの練習を行うことができます。同時に、画面の下に再生ボタンが表示され、再生のスピードを0.5倍から2倍の間で変えたり、3秒巻き戻し、あるいはリピート再生を行うこともできます。これによって、シャドーイングをより容易に行うことができます。これは、English Journalの電子雑誌版にはない、すぐれた機能といえるでしょう。

(シャドーイングの練習法:CNN English ExpressのiPad画面より)

基礎トレーニング

基礎トレーニングのコーナーでは、CNNニュースから採った70words前後の短い英語テキストを用いて、精聴トレーニングを行います。「精聴トレーニング」とは、次のような3段階のPractice(練習)を繰り返し実践することをいいます。

  • Practice 1:  英語を見ずに、ナチュラルスピードで聴いてみる。
  • Practice 2:  英文を見ながら音声を聴き、聞き取れなかった箇所の音と文字を確認する。
  • Practice 3:  英文・語注・日本語訳を参考に、内容を理解する。その後、音声を繰り返し聴いて耳を慣らす。さらに、英語の音声をまねながら、音読する。

次の記事は、2018年10月号の基礎トレーニングの一部を引用したものです。初めて手話を覚えたことで有名なゴリラのココが亡くなったニュースを題材として取り上げています。

 

 

CNN ニュースダイジェスト

このコーナーでは、ここ数ヶ月の間にCNNで報道された主なニュースを、70〜100字でダイジェストした10項目の記事からなっています。それぞれに、日本語訳、主な語句の意味、英語音声、リスニングのポイントをつけています。基礎トレーニングと同様に、精聴トレーニングができるようになっています。

 

 

実践編

実践編は、中級者に合ったリスニング教材を提供しています。「CNNニュース・セレクション」「CNNビジネス・アイ」が主なコンテンツです。

CNNニュース・セレクション

このセクションでは、興味深い世界のニュースを4つ取り上げて、英文テキスト、日本語訳、キーワードの語義説明、英語音声を載せています。

 

 

 

とくに注目したいのは、電子雑誌版の場合、ニュースに動画へのリンクを張り、オリジナルのCNNニュース動画を視聴できるようにしていることです。動画を見ながらニュースを聴くことがでけいるので、リスニングが楽しく、かつ効率的にできます。英文テキスト、日本語訳と合わせて見ると、リスニング力は確実にアップするでしょう。下の動画は、体験版サイトのサンプル映像です。

http://ee.asahipress.com/experience/

CNNビジネス・アイ

このセクションでは、経済、産業、ビジネスに関連するトピックのニュースを取り上げ、音声良い上げ、英文スクリプト、日本語訳、キーワード解説をつけています。「ニュースの背景を探る」のコーナーでは、ニュースの内容について、さらに掘り下げた専門家の解説も載せています。これを読むことによって、ニュースの理解力がアップすることでしょう。

 

(テキスト原文とキーワード解説)

 

(専門家による背景説明)

強化編

最後の強化編は、上級者向けのコンテンツです。著名人へのインタビューと、「アンダーソン・クーパー360°」というCNNニュースアンカーのニュース解説を載せています。インタビューの相手は、いずれも「時の人」なので、インタビューを興味深く聴くことができます。

2018年10月号のインタビュー相手は、APPLE社CEOのティム・クック氏でした。

 

 

『CNN English Express』おすすめの購読方法は

CNN English Expressは、 アルクのEnglish Journalと同じように、書籍+CD版と電子雑誌版の両方を提供しています。定価は、書籍版1,240円に対し、電子雑誌版は、単体1,080円、12ヶ月で12,800円となっています。

書籍版にはCDと別冊付録がついています。別冊付録は練習問題になっていて、書き込みができるので、電子版よりも使い勝手はいいといえます。一方、電子雑誌版(iPad、iPhone対応)は、音声のスピードを変えたり、リピートして聴くことができるので、リスニングにはぴったりです。操作性はEnglish Journalを上回っています。また、iPhoneのように小さな画面でも、読みたい箇所をタップすると、大きな活字でポップアップ画面が開きますから、とても読みやすくなります。電車の中などでのリスニング練習には最適でしょう。また電子版の特典として、関連ニュース動画をワンタップで視聴できることもあげることができます。

以上を総合的に評価すると、CNN English Expressは、もしiPadかiPhoneを持っている方の場合は、電子版を購読するのがお薦めといえます。

-英語雑誌の活用